サイクリングガツアー 事業 の 再開に向けた 「 JCGA サイクリングツアー COVID 19 感染拡大予防ガイドライン 」

関係各位 

サイクリングガツアー事業の再開に向けた
「JCGAサイクリングツアー COVID-19感染拡大予防ガイドライン」

平素はサイクリングガイドとしての立場からサイクリングの普及拡大にご尽力いただき、誠にありがとうございます。また、今は皆様もCOVID-19の感染拡大予防のためにツアー事業などを休止されていることと思われ、そのご心労はいかばかりかとお察しいたします。
さて、一時は全都道府県で5月31日までとされていた「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)緊急事態宣言」ですが、5月14日に「緊急事態措置を実施すべき区域」が、北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫の8都道府県に縮小、他県については解除され、それに伴い同日、公益財団法人日本スポーツ協会(JSPO)から「スポーツイベント再開に向けた感染拡大予防ガイドライン」が公表されました。
私共JCGAも、サイクリングおよびサイクリングツアー固有の条件に見合うガイドラインを、JSPOのガイドラインを参考に作成いたしました。JCGAサイクリングガイド各位は、当ガイドラインをひとつの基準とされながら、個々の状況に応じたご判断をいただければと思います。
なお、JSPOのガイドラインでも「感染症への感染を防止するための方策については、必ずしも十分な科学的な知見が集積されている訳ではありません。このため、本ガイドラインは、現段階で得られている知見等に基づき作成しています。今後の知見の集積及び各地域の感染状況を踏まえて逐次見直すことがあり得る(以下略)」とされており、JCGAのガイドラインも同様に絶対的ではないことを申し添えます。
早期の終息を願い、皆さまの健康とサイクリングツアー事業のご発展を祈念いたします。

2020年5月20日
JCGA代表理事
渋井亮太郎


<JCGAサイクリングツアー COVID-19感染拡大予防ガイドライン>

・サイクリングツアー事業の実施意義
全世界規模で長期化が想定される未曾有の危機に際し、感染拡大防止に資する移動手段として、さらには、個々の免疫力の維持向上に資する屋外での個人スポーツとして、感染リスクの低いサイクリングが推奨され、自転車の価値が再評価されている。
他方、自転車は根源的に転倒や衝突などのリスクがあり、特に我が国は先進諸国に比して自転車関連法や環境の整備が立ち遅れているため、「新しい生活様式」の浸透による自転車利用者の増加が、新たなリスクを呼び込むという懸念もある。
こうした状況にあっては、サイクリングに積極的な一般市民のリスクを軽減し、サイクリングの楽しさや健康効果を高めることのできる引率者の役割は大きく、確かな技術と経験をもつJCGAサイクリングガイドが実施するサイクリングツアーの意義も漸増すると考えられるため、適切なリスク対策を各自が講じた上で、地域のサイクリストが求めるサービスの再開を望むものである。

・サイクリングツアー事業の現場に即した感染拡大予防ガイドラインの概略
ひとつのサイクリングツアーにおける確認事項を時系列で切り分けると以下のようになる。
1、ツアー計画における留意点
2、ツアー募集時に記載し、参加者が申し込み時点で事前承諾すべき事項
3、受付会場やクラブハウスの感染対策準備
4、ツアー当日の受付業務および出発対応:
5、サイクリング中:感染防止対策と怪我リスクを軽減する走り方など
6、ツアー終了後:事後対応、感染情報の連絡など

以下、それぞれについてガイドラインを設定する。

1、ツアー計画における留意点
感染予防はもちろん、怪我や体調不良で医療現場に負荷を掛けないという観点で計画を再点検。
・走行ルートおよびサブルート、時間配分などについての安全マージンを増やす。
・休憩は、公園等の屋外スペースを活用し、特にトイレ待ちで3密回避に配慮する。
・食事は、テラス席や横並びの席、屋外での弁当など、3密が揃わない場所を設定する。

2、ツアー募集時に明記すべき感染予防のための遵守事項
感染予防のために主催者と参加者の双方が遵守すべき事項(下記ア〜カ)を募集時に明記し、当日に遵守いただけない参加者に対しては、他の参加者の安全と安心の観点から参加を拒否またはツアー途中で離脱させる可能性まで含め、参加申し込み時点で遵守事項のすべてに同意を得る。

ア:以下のCOVID-19疑いのある者はツアー参加を辞退すること。
・平熱を超える発熱
・咳(せき)、のどの痛みなど風邪の症状
・体が重く感じる、だるさ(けんたい感)、息苦しさ(呼吸困難)
・嗅覚や味覚の異常
・COVID-19陽性者または陽性が疑われる者との濃厚接触から2週間以内
・入国制限および入国後の観察期間が必要とされる国からの入国者との濃厚接触から2週間以内
イ:マスクを持参し、サイクリング中も携行すること。着用の是非は以下のとおり。
・受付や休憩などサイクリング以外の時間や、会話するときは着用する。
・サイクリング走行中の着用は原則として不要だが、自己判断での着用も認める。
・走行中に着用するなら、通気性の高いもの、バフ、フェイスガードなどを推奨する。
・気温の高い屋外での運動中に着用すると熱中症のリスクが高まることに留意する。
ウ:手洗いおよびアルコール等による手指消毒をこまめに行うこと。
エ:終日、他者との距離(できるだけ2m以上)を確保すること。
オ:終日、不要な大声を発しないこと。
カ:その他の感染措置、およびツアー主催者の指示に従うこと。

3、受付会場やクラブハウスの感染対策準備
主催者は受付およびクラブハウス等について下記ア〜カの感染対策を講じること。
ア:主催者および参加者が3密にならないよう、導線や必要物を適宜配置すること。
イ:受付窓口に手指消毒剤を設置すること。
ウ:トイレに「蓋を閉めて水を流してください」という表示をすること。
エ:手洗いには、石鹸(ポンプ型が望ましい)を用意すること。
オ:手洗いには、「手洗いは 30 秒以上」等の掲示をすること。
カ:手洗い後に手を拭くためのペーパータオル(使い捨て)を用意すること。
(参加者にマイタオルの持参を求めてもよい。布タオルや手指乾燥器は使用休止)
キ:自転車、ヘルメットなどのレンタル品は、事前に清掃と消毒をすること。

4、ツアー当日の受付業務および出発対応
主催者はツアー当日に、受付およびクラブハウス等で下記ア〜タに留意すること。
ア:トイレや更衣室は集合時刻までに清掃と消毒を行うこと。
イ:広さにゆとりがない場合は、受付入場制限などで3密にならないよう配慮すること。
ウ:特に受付窓口では主催者と参加者が正対しないよう配置すること。
エ:主催者および参加者全員が集合からツアー出発時までマスクを着用すること。
オ:参加者全員に当日の体温を確認すること。
カ:参加者全員に上記2-ア項のCOVID-19疑いを口頭確認し、該当者は参加を辞退させること。
キ:受付終了後からツアー出発まで、主催者および参加者が3密にならないよう配慮すること。
ク:個人情報収集や参加費徴収はネット等で事前に行い、受付でのやりとりを最小限とすること。
ケ:複数の参加者が触れるドアノブ、ロッカーの取手、テーブル、椅子はこまめに消毒すること。
コ:換気扇や窓の解放などで、充分な換気を行うこと。
サ:飲食物を参加者に提供する際は、事前に手洗いと手指消毒を促すこと。
シ:飲料は、ペットボトル・ビン・缶や使い捨ての紙コップで提供すること。
ス:食品は、同じトング等で大皿から取り分ける方式を避け、一人ずつ小皿で提供すること。
セ:唾液や鼻水のついたゴミはビニール袋に入れ、そのつど密閉して縛ること。
ソ:ゴミを回収する場合はマスクと手袋を着用し、事後は手洗いと手指消毒すること。
タ:受付や出発前ブリーフィングで飛沫を抑えるため、マイク機器や拡声器などを活用すること。

5、サイクリング中
感染防止対策および怪我や体調悪化のリスクを軽減するために、以下のア〜ケに留意すること。

ア:マスク着用について:サイクリング中も携行すること。着用の是非は以下のとおり。
・受付や休憩などサイクリング以外の時間や、会話するときは着用する。
・サイクリング走行中の着用は原則として不要だが、自己判断での着用も認める。
・歩行者等が密集したエリアを低速で通過する場合等は、主催者がマスク着用を指示する。
・走行中に着用するなら、通気性の高いもの、バフ、フェイスガードなどを推奨する。
・気温の高い屋外での運動中に着用すると熱中症のリスクが高まることに留意する。

イ:車間距離
・休憩からの再出発や信号待ちの停車時は、車間距離を自転車一台強(約2m)とする。
「新しい生活様式」では「1m(できれば2m)」とされるが、運動で呼気が荒くなることも想定し、目測でも意識しやすい自転車1台強(2m)とする。また、屋外では2mまで到達する前にほとんどのウイルスは乾燥して感染性を失うとされている。
・走行中は、飛沫の到達距離が伸びる懸念もあるため、車間距離を2台分(約4m)とする。
当協会は平時より、走行中の車間距離を自転車1.5〜2台分(約2.5〜4m)、速度が速い場合は自転車4〜6台分(約6.5〜8.5m)としているが、感染対策のためにやや広めの車間距離を推奨する。

ウ、走行中の隊列
道幅に余裕のある車道を走行中は、前方の視認性を高め、前走者の呼気を受けるリスクをを抑えるために、一直線の隊列ではなく、前後左右に互い違いとなる千鳥を原則とする。※ただし、並進とならないように留意し、法規に適う1列走行を遵守する。

エ:組み分け人数
サイクリングガイド1名あたりの引率人数は、平時の6〜8名ではなく、4名を上限とする。

オ:天候悪化時の判断
平時のツアーよりも安全マージンを大きくとり、コースカットや中止終了などの行程変更を早めに判断する。

カ:ハンドサイン(合図)と声掛け
・声掛け時の飛沫をおさえるために、合図は大きく、長く、声掛けは必要最小限に抑える。
・腰巻式のハンズフリー拡声器や、無線機、グループ内で相互通話のできる通信システムなどを活用してコミュニケーションを補完することも検討する。

キ:休憩・食事
・公園等の屋外スペースを活用し、特にトイレ待ちで3密回避に配慮する。
・原則として手洗い場所を必須とした上で、消毒液を携行してこまめに消毒する。
・食事は感染対策を優先し、テラス席や横並びの席、屋外での弁当など、3密に留意する。

ク:水分補給
ノドの粘膜の乾燥でウイルス排出力を下げないよう、15分毎を目安にこまめに給水する。信号待ちなどのタイミングも活用する。

ケ:他者への感染拡大リスク軽減
・唾や痰は地面等には吐かず、ティッシュなどで受け、密閉して持ち帰るようにする。

6、ツアー終了後の感染情報連絡など
イベント終了後2週間以内にCOVID-19を発症した場合は、速やかに主催者に連絡し、濃厚接触者等について報告する。

(以上)
JCGA_20200520_COVID19